2017年1月21日土曜日

第9回 松本人志x宮本茂の対談を見た後の感想

まず言っておきたいのは、
俺は大の松ちゃん好きだ。
番組と映画はほぼ全部見てるし、
本も結構読んでるし、ラジオも未だに聞いてる。

そして、ゲームはそこそこやるけど、
そこまでゲーマーじゃないし、
宮本茂という人物もこの対談で初めて知った。
すごい人だね。間違いなく歴史に残る名前だわ。

では、さっそく

マニアックなものV.S.普遍的なもの
抜粋: 松本:「普遍的なものをつくりたいという意識は強いですか。」
。。。
宮本:「スーパーマリオが売れて、みんな褒めてくれる。でも、褒めてくれる内容の半分くらいは、スーパーマリオじゃないくて、ほかのゲームでもやっていることだったりする。
つまり、スーパーマリオ以外のゲームを知らない人が多い。みんながゲームを全部知っているわけじゃないんです。でも、ゲームの仕事をしていると、ゲームを知っている人ばかりと付き合うので、間違うんです。」
松本:「すごくよく分かります。」
松ちゃんは共感するだろうねぇ。
みんながみんなずっとお笑い番組を見てるわけじゃないし、ネタを進化を知ってるわけじゃない、だから新しいことを始める時に、どれぐらい進んだらいいのか毎回悩むでしょうね。

例えば、元々テレビでノリツッコミをやってる人がいなかったとする。それが、5年前に深夜番組でAさんという芸人がやり始めたとする。それがコアな笑いファンや他の芸人にものすごく受けたと。そして5年後の現在、Aさんはゴールデンで「ものすごく長いノリツッコミ」というノリツッコミをやって、それが全国的に爆発的に受けたとする。笑いをずっと見てる人は、「ノリツッコミをさらに進化させたなこいつ」という意味で受けるけど、5年間ずっと笑いを見てない人からしたら、「なにこれ!一旦乗ってからつっこむのおもろいなぁ!」と、ノリツッコミ自体に受けてる。でもこれは実は5年前からもずっとやってることであって、何も新しくない。
そしてAさんを中心に一回ゴールデンで1時間やろうとなった時、「普通のノリツッコミ」にフォーカスを当てるか、「ものすごく長いノリツッコミ」にフォーカスを当てるか、考えなければならなくなる。この決断によって、マニアックな回になるかどうかが決まる。

オリジナリティ
抜粋: 宮本: オリジナリティへのこだわりというよりも、みんながやるパターンにのると、それ以上のものを出さないとダメですよね。でも、独自に考えたものは、仕上げる余地がある。みんな怖いので安全なところに置きたがる。でも、そういうところに置くのは、同じようなものがたくさんあるので目立つのが難しい。でも、独自のものを置くのはあぶないけど、ラフにおいても周りが開いているので。あと、そのほうが仕事楽しいんですよ。
松本: 本当にそうなんです。僕も、同じこと言ってるんですけど。言い換えると少し、卑怯なんですけど。
ビジネスの戦略でいう「ブルーオーシャン戦略」だね。
すでに存在する戦場で戦うのではなく、まだ相手さえいない戦場に行って、そこの王者になると。
確かに松ちゃんの言う通り、ちょっと卑怯ではあるね。
でも実はこれは既存する戦いに参加するよりもリスキーなことであり、思いついてもなかなか行動には移せないものである。
「結局このフィールドにみんな行ってないのは、みんな気づいていないからなのか?それともみんな気づいてるけど損しかしないからみんな行かないだけなのか?」という葛藤があるね。

先の例をそのまま使うと、Aさんは「普通のツッコミ」をすれば、プロヂューサーに怒られることはないけど、目立ったりもしない。そして、「ノリツッコミ」という技法を発見するけど、テレビでやるかどうかを決めないといけない。しかしこのノリツッコミというのは、他の芸人さんみんなできるけどあえてやっていないだけなのか。それとも自分が第一の発見者なのか。そういう葛藤がありますね。

まとめ:
松ちゃんの質問、全部抽象的すぎるよ!笑

ま、それも松ちゃんらしいけどな。

あとゲームとお笑いはやっぱちょっと違うから、それぐらい抽象的な話をしないと、お互い共感できないかもしれないね

第8回 映画評論 50/50(フィフティ・フィフティ ) 7点

50/50(フィフティ・フィフティ )
ジョナサン・レヴイン
7点/10点

あらすじ:
酒もタバコもやらない普通の青年アダムは27歳でガンを患い、生存率50%と宣告される。同僚や恋人、家族は病気を気づかってどこかよそよそしくなっていくなか、悪友カイルだけはガンをネタにナンパに連れ出すなど、いつも通りに接してくれていた。アダムはなんとかガンを笑い飛ばそうと日々を過ごしていくが、刻々と進む病状に次第に平穏を装えなくなってしまう。カイル役のセス・ローゲンが製作を務め、ガンを克服した親友の脚本家の実体験をもとに映画化した。(映画ドットコムより)

全体を通して言えること:
ストーリー自体は新鮮味がなく、キャスティングもそこそこ売れている役者さんばかりをきようしているので、「無難」な映画を作ろうとしているのが伝わる。でもま、こういう映画もあっていいじゃないか。「なんでもいいから感動して泣きたい」という需要やはりどの時代にもありますから。そういう意味では、ちゃんと笑いあり、涙ありの映画にはなってるし、どんな人と一緒に見ても楽しめる作品になってる。

よかったところ:
やっぱりこの作品に出てる役者さんはみんな演技がうまい。
主人公を演じるジョセフはガンになっても、彼女に浮気されても、友達に利用されて(ると勘違いして)も、怒らない。でも手術の前日の夜にはやはり抱えきれず、車の中で叫んでしまう。そこらへんはやはりナチュラルでかつリアル。
主人公の友達を演じるセスはちゃんと普通に接そうとする演技ができてて、浮気した彼女もちゃんと自分の葛藤を観客に伝えている。他の役者さんもみんなすごい。演技っぽい演技をしていない。

クライマックスまでのストーリーの進み方もスムーズでいいと思う。淡々と。
淡々とガンになって、淡々とまわりのみんなに教えて、淡々と彼女の浮気がばれて、淡々とかわいい心理療法士と出会って、淡々とがん治療のお年寄りな仲間ができて、淡々とその中の一人が死んでしまうという。
この淡々さがあったからこそ、手術の前日と当日がちゃんと重く感じちゃうし、泣ける。

普通はバッドエンディングのほうを望んでしまう俺だけど、この作品に限ってはハッピーエンディングのほうが断然正解だったと思う。なぜかというと、やはり全般的にコメディカルな作品だし、もしバッドエンディングにするならもっと主人公の夢とか描かないと意味ないし。

悪かったところ:
心理療法士とのラブストーリーはいらんやろう!ボケ!!
なぜ二人は恋に落ちたのかまったく描いていない。
その心理療法士は特に何の役にも立ってない、むしろ経験不足だから主人公を怒らせてばかりだ。そして主人公も別に特別にこの心理療法士のためになんかやったりしてないし。
なんでもいいから、恋に落ちたきっかけを一個くれよ!
でもそもそもこの恋はストーリーを邪魔してるだけで、いらん!

そしてこの映画の一番伝えたいことがよくわからん。以下の4つのどれだ?
1. リスクが大嫌いな主人公(赤信号は絶対渡らない、交通事故が怖いから免許を取らない、たばこも酒もやらない)でさえガンになるから、人生は不公平だ。
--だったりもっといかにリスクが嫌いかもっと描かないといけないし、バッドエンディングのほうがいい
2. ガンになってはじめて気づくものがある(お母さんの愛情と孤独、本物の友情、自分に一番合う女のタイプ)
--だったりエンディングは新しい彼女とピザを食べるシーンじゃなく、親と友達と彼女と一緒になんかやるシーンのほうがいいし、いかにガンになる前の主人公はこういうのに気づいてなかったのか描いてほしい。
3. ガンになったら、結局友達が一番いい(彼女はよそよそしくなる、親は過度に心配になる、医者や心理療法士は事務的すぎる、でも友達だけはいつも通りに接してくれる)
--だったら余計にその心理療法士とのラブストーリーはいらんやろう!!そしていつも通りに接すてくれてる友達の葛藤も描かないと
4. 普通に、「ガンになったらこんなことが起きるよ」と描いたドキュメンタリー的な映画
--じゃあやっぱラブストーリーはいらん!そして主人公はもっと普通の人の反応をみせてくれ!クールすぎるやろう!

まとめ:
言っても7点はあげてるからね。
みんなにみてほしい映画ではある。
あまりこう、なんだろう、「見終わったら分析してやる!」みたいな見方ではなく、
「ストレスたまってるから、ちょっと泣こう」という軽い気持ちで見たほうがいいかな?