2016年9月24日土曜日

第7回 映画評論 奇人たちの晩餐会 USA 8点

奇人たちの晩餐会 USA (Dinner For Schmucks)
ジェイ・ローチ
8点/10点

あらすじ:
フランシス・ベベール監督の仏映画「奇人たちの晩餐会」(98)を、スティーブ・カレル&ポール・ラッド主演でハリウッドリメイクしたコメディ。会社で出世コースを歩むティム(ラッド)はボスが毎月開催する風変わりな晩餐会に出席することになる。その晩餐会とは、出席者それぞれが奇人変人をひとりずつ連れてきて、その可笑しさを競い合うという悪趣味なものだった。ティムは誰を連れて行くか迷っていたところ、たまたま車で轢いてしまった中年男性バリー(カレル)を連れて行くことにするが……。監督は「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズのジェイ・ローチ。(映画ドットコムより)

まず言っときたいこと:
リメイクだったのは知らん。リメイク元も知らん。俺はこの映画自体について評論する。
そして、この映画を見て「笑えない」って言ってたやつはこれを読むな!!
お前らが悪いんじゃない。。。ま、アメリカのこういう笑いが理解できないお前らが悪いわ。
でもお前らのせいではない

全体を通して言えること:
ZachとSteve CarellとPaul Rudd、コメディの俳優としては最高!!!
そして、アメリカ映画ではよく見る
「いろんな誤解が生まれたことによって破局する」
という系統の映画の中ではトップクラスの「誤解」を描写した。
細かいところがめっちゃ笑える。これは英語が理解できないと笑えないところが多かったと思う。
でも、エンディングは最悪!!!

良かったところ:
なんといってもアホのバリーによって生れた「誤解」がとにかくリアルでしんどい。
そして、ティムとティムの彼女の対応もリアル。
他の映画を見てた時に、俺がよく思うのは、
「こんなの、男のほうがちゃんと説明したらええやん」
「いやいや、これは女のほうが話を聞かなさすぎやろ」
「そもそも、こんな誤解が生まれるわけがないやん!」
でもこの映画の中の出来事は全部ありうることで、
そして彼氏の対応も全部理にかなった対応だけど、
毎回ちゃんと説明しようとしたときにまた絶妙なタイミングに、
新たな誤解を招いてしまう。

もう一つはやっぱりバリーとバリーの上司のアホさ加減。
これがね。。。。日本にはない笑いだと思うな。。。
だから日本人には伝わりにくいし、どこで笑ったらいいのか分からない。
根本的に言うと、ツッコミがない。あったとしても、あまり強くない。
そして、「これは、笑っていいのか?」という状況になるから、
面白くても爆笑はできない。
でも俺はアメリカのシュールな笑いをたくさん見てきたから、
これがちょうど俺のツボ。

悪かったところ:
やっぱりエンディングだね。
映画の終盤、
ティムの人生がどんどんどん底に落ちていく。
彼女が「本当のティム」を見てしまい、ティムのことが嫌いになって、出ててった。
(これはもう、普通の喧嘩とかじゃないでしょ?もう本当に嫌いになったってことでしょ?)
そして、ディナーの最後の最後で、良心が出世したいという願望に勝って、上司やクライアントとやり直せないぐらい悪い関係になった。
さ、どうなる。

。。。

え!?!?!?!

こういう終わり方にするの???

ま、ネタバレをすると、
彼女のほうは、たまたま忘れ物を取りに来たときに、たまたまティムがバリーに自分が彼女に対する本当の想いを告げてたのを見てしまい、それであっさり仲直り、と。
仕事のほうは、あっさりやめた、と。

しかも映像ではなく、バリーのナレーションでいろいろな伏線を回収した。
無理やりバッドエンディングをグッドエンディングに変えた。
ナレーションで。後述で。

まとめ:
あとあじは、確かに悪いけど、
見てる時は結構いろんな感情が湧いてきて、楽しかった。





2016年9月4日日曜日

第6回 今日面白かった経済学の授業

「行動経済学」という授業です。

教授の論点:
- 人々の選択・行動はそれぞれの「優先傾向」で決まる。
- しかし、その優先傾向は時と場合によって変わります。
- この優先傾向が変わることによって、人々は「損」する
  例えば、「俺は食べることより痩せることを優先するから、昼飯を抜く」という選択をするけど、
        実際昼飯の時には、「俺は痩せることより食べることを優先するから、昼飯食べる」
  よって、俺は太ってしまい、「損」をしてしまう
- だから、政府は人々の選択肢を削ることによって、人々を幸せにできる

リンゴ一つ・二つの例:
経済学者は多くの人に、二つの質問を聞いた。
一つ目は、「A.1 リンゴ一つを今日もらう」と「A.2 リンゴ二つを明日もらう」、どっちがいい?
二つ目は、「B.1 リンゴ一つを一年後にもらう」と「B.2 リンゴ二つを一年後の翌日にもらう」
どっちがいい?

もし「優先傾向」が変わらないものでしたら、
A.1を選んだ人はB.1を選ばなければならない、
A.2を選んだ人はB.2を選ばなければならない。

多くの人はA.1とB.2を選んだ。

だったらどういうことが起こるかというと、
一年後になったら、元々もう一日待ってからリンゴを二つもらいたかったけど、
結局一つ目の質問に戻ったことになり、その日にリンゴを一つだけもらう。

これは、政府がB.1という選択肢を排除することによって、
人々は元々のプランを実行することができる。

俺の反論:
アホか!
俺はな、確かにな、366日後にリンゴを二つもらえたらいいなぁと思ってるよ。
でもそれは今の時点の話じゃ!
一年後の俺と今の俺は違う人間じゃ!
だから365日経った時に、俺は多分砂漠のど真ん中のいるかもしれへんや。
もう一日経ったら、死んでまうかもしれへんで!
すぐリンゴ食べたいんやん!

昼飯の話は、また違う意味でアホな例ですわ。
「昼飯を抜くわー」つって、結局誘惑に負けたなら、
それは確かに「失敗」です。ダイエットの失敗・

でも人生は長いもんですよ?
この失敗から、俺は弱い自分を見つめることができ、
今度からは誘惑にもっと強くなる!
逆に、もし俺が毎回誘惑に負けるなら、
多分俺はそこまで痩せたいと思ってないし。

要するに、政府が人々の選択肢を制限することがいいことは、
ナンセンスだ!!!!!


2016年9月2日金曜日

第5回 映画評論 風立ちぬ 6点


宮崎駿
6点/10点

あらすじ
こちらを参考にしてください:
http://hayao-ghibli.seesaa.net/article/366784080.html

全体を通して言えること:
いいか悪いかは置いといて、独特なストーリーで、独特な見せ方ではある。
独特な見せ方というのは、要するに、
説明が少ない、そして断片的なシーン
そして、これといったクライマックスがない。

もちろん、言葉遣いや、声優さんたちの控えめな演技なども独特である。

悪かったところ:
その一: 分かりにく過ぎる!
いや、誤解しないでくれ。
たとえばね、北野武の映画とか、ジャン=リュック・ゴダールの映画とかもそうなんだけど、
無駄な説明も、過剰な演技も一切なくて、
俺はすごい好きなんですよ。
こんな俺でさえね、この映画が分かりにくいって言ってるんですよ。
恐らく、このストーリーとこの見せ方はアニメには不向きではないかなと思う。
主人公の表情がまったく読み取れない。
自分の作ってるものが戦争の武器になっている葛藤、
彼女と一緒にいたいけど、本当は山の上に返すほうが彼女のためだという葛藤、
彼女を愛している、でもそれ以上に仕事を愛してるという葛藤、
まったく見えてこない。

その二: 伝えたいことが分からない
この映画のテーマはなに?
愛情?戦争?夢?友情?選択?生きること?ただの感動?
ま、一つに絞らなければならないという約束はないけど、
やっぱりいろいろ盛り沢山すぎると、
観客は見方が分からないと思う。
ていうか、最後のシーンを見て涙流すやつは、
ただ「うわ、愛してる人が病気で死んだ、悲しい!」という感情になっただけでしょう?
アホか!韓国のドラマでも見とけ!

その三: 理にかなってないところが多い
これは宮崎駿の変わらないところなんだけど、
子供っぽいという、幼稚というか、
「ファンタスティックなもんは説明いらんねん」みたいな考え方ですかね。
千と千尋の時もそうなんだけど、なぜそうなる?という説明がまったくない。
これに関しては松本人志が千と千尋について書いた映画評論を参考にしてくれ。
話を戻すが、この映画の理にかなっていないところは、
まずね、なぜこの主人公は何にも動じないのか?なぜ常に冷静なのか?
そして、なぜサバの骨のカーブがちょうど一番いいカーブなのか?
なぜ主人公は会社でエリート扱いなのか?

いや、分かるよ?ちょっとだけヒントになってる細かい描写もあるけど、
あるいは大して説明しなくてもいい部分もあるけど、
でもやっぱりこういうのは丁寧に説明しないと、
リアル感が感じない。

良かったところ:
ちゃんと表現できたかどうかは置いといて、
表現したかったものは極めて深い。

要するに、前にも書いてあったけど、
戦争は嫌いだけど、戦争があることによって自分の夢がかなえられる葛藤、
そして、
本気で愛してる人はいるけど、そんな人よりも自分の夢を追いかけるほうが大事だという、
悲しみ?
そして、自分の国が敗戦し、自分が作った飛行機は一機も戻ってこなかった。
かといって、後悔はまったくない。

いや、深いよ!でも監督の仕事はそれを観客に分からせることだろう!