2016年9月2日金曜日

第5回 映画評論 風立ちぬ 6点


宮崎駿
6点/10点

あらすじ
こちらを参考にしてください:
http://hayao-ghibli.seesaa.net/article/366784080.html

全体を通して言えること:
いいか悪いかは置いといて、独特なストーリーで、独特な見せ方ではある。
独特な見せ方というのは、要するに、
説明が少ない、そして断片的なシーン
そして、これといったクライマックスがない。

もちろん、言葉遣いや、声優さんたちの控えめな演技なども独特である。

悪かったところ:
その一: 分かりにく過ぎる!
いや、誤解しないでくれ。
たとえばね、北野武の映画とか、ジャン=リュック・ゴダールの映画とかもそうなんだけど、
無駄な説明も、過剰な演技も一切なくて、
俺はすごい好きなんですよ。
こんな俺でさえね、この映画が分かりにくいって言ってるんですよ。
恐らく、このストーリーとこの見せ方はアニメには不向きではないかなと思う。
主人公の表情がまったく読み取れない。
自分の作ってるものが戦争の武器になっている葛藤、
彼女と一緒にいたいけど、本当は山の上に返すほうが彼女のためだという葛藤、
彼女を愛している、でもそれ以上に仕事を愛してるという葛藤、
まったく見えてこない。

その二: 伝えたいことが分からない
この映画のテーマはなに?
愛情?戦争?夢?友情?選択?生きること?ただの感動?
ま、一つに絞らなければならないという約束はないけど、
やっぱりいろいろ盛り沢山すぎると、
観客は見方が分からないと思う。
ていうか、最後のシーンを見て涙流すやつは、
ただ「うわ、愛してる人が病気で死んだ、悲しい!」という感情になっただけでしょう?
アホか!韓国のドラマでも見とけ!

その三: 理にかなってないところが多い
これは宮崎駿の変わらないところなんだけど、
子供っぽいという、幼稚というか、
「ファンタスティックなもんは説明いらんねん」みたいな考え方ですかね。
千と千尋の時もそうなんだけど、なぜそうなる?という説明がまったくない。
これに関しては松本人志が千と千尋について書いた映画評論を参考にしてくれ。
話を戻すが、この映画の理にかなっていないところは、
まずね、なぜこの主人公は何にも動じないのか?なぜ常に冷静なのか?
そして、なぜサバの骨のカーブがちょうど一番いいカーブなのか?
なぜ主人公は会社でエリート扱いなのか?

いや、分かるよ?ちょっとだけヒントになってる細かい描写もあるけど、
あるいは大して説明しなくてもいい部分もあるけど、
でもやっぱりこういうのは丁寧に説明しないと、
リアル感が感じない。

良かったところ:
ちゃんと表現できたかどうかは置いといて、
表現したかったものは極めて深い。

要するに、前にも書いてあったけど、
戦争は嫌いだけど、戦争があることによって自分の夢がかなえられる葛藤、
そして、
本気で愛してる人はいるけど、そんな人よりも自分の夢を追いかけるほうが大事だという、
悲しみ?
そして、自分の国が敗戦し、自分が作った飛行機は一機も戻ってこなかった。
かといって、後悔はまったくない。

いや、深いよ!でも監督の仕事はそれを観客に分からせることだろう!


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