2017年1月21日土曜日

第8回 映画評論 50/50(フィフティ・フィフティ ) 7点

50/50(フィフティ・フィフティ )
ジョナサン・レヴイン
7点/10点

あらすじ:
酒もタバコもやらない普通の青年アダムは27歳でガンを患い、生存率50%と宣告される。同僚や恋人、家族は病気を気づかってどこかよそよそしくなっていくなか、悪友カイルだけはガンをネタにナンパに連れ出すなど、いつも通りに接してくれていた。アダムはなんとかガンを笑い飛ばそうと日々を過ごしていくが、刻々と進む病状に次第に平穏を装えなくなってしまう。カイル役のセス・ローゲンが製作を務め、ガンを克服した親友の脚本家の実体験をもとに映画化した。(映画ドットコムより)

全体を通して言えること:
ストーリー自体は新鮮味がなく、キャスティングもそこそこ売れている役者さんばかりをきようしているので、「無難」な映画を作ろうとしているのが伝わる。でもま、こういう映画もあっていいじゃないか。「なんでもいいから感動して泣きたい」という需要やはりどの時代にもありますから。そういう意味では、ちゃんと笑いあり、涙ありの映画にはなってるし、どんな人と一緒に見ても楽しめる作品になってる。

よかったところ:
やっぱりこの作品に出てる役者さんはみんな演技がうまい。
主人公を演じるジョセフはガンになっても、彼女に浮気されても、友達に利用されて(ると勘違いして)も、怒らない。でも手術の前日の夜にはやはり抱えきれず、車の中で叫んでしまう。そこらへんはやはりナチュラルでかつリアル。
主人公の友達を演じるセスはちゃんと普通に接そうとする演技ができてて、浮気した彼女もちゃんと自分の葛藤を観客に伝えている。他の役者さんもみんなすごい。演技っぽい演技をしていない。

クライマックスまでのストーリーの進み方もスムーズでいいと思う。淡々と。
淡々とガンになって、淡々とまわりのみんなに教えて、淡々と彼女の浮気がばれて、淡々とかわいい心理療法士と出会って、淡々とがん治療のお年寄りな仲間ができて、淡々とその中の一人が死んでしまうという。
この淡々さがあったからこそ、手術の前日と当日がちゃんと重く感じちゃうし、泣ける。

普通はバッドエンディングのほうを望んでしまう俺だけど、この作品に限ってはハッピーエンディングのほうが断然正解だったと思う。なぜかというと、やはり全般的にコメディカルな作品だし、もしバッドエンディングにするならもっと主人公の夢とか描かないと意味ないし。

悪かったところ:
心理療法士とのラブストーリーはいらんやろう!ボケ!!
なぜ二人は恋に落ちたのかまったく描いていない。
その心理療法士は特に何の役にも立ってない、むしろ経験不足だから主人公を怒らせてばかりだ。そして主人公も別に特別にこの心理療法士のためになんかやったりしてないし。
なんでもいいから、恋に落ちたきっかけを一個くれよ!
でもそもそもこの恋はストーリーを邪魔してるだけで、いらん!

そしてこの映画の一番伝えたいことがよくわからん。以下の4つのどれだ?
1. リスクが大嫌いな主人公(赤信号は絶対渡らない、交通事故が怖いから免許を取らない、たばこも酒もやらない)でさえガンになるから、人生は不公平だ。
--だったりもっといかにリスクが嫌いかもっと描かないといけないし、バッドエンディングのほうがいい
2. ガンになってはじめて気づくものがある(お母さんの愛情と孤独、本物の友情、自分に一番合う女のタイプ)
--だったりエンディングは新しい彼女とピザを食べるシーンじゃなく、親と友達と彼女と一緒になんかやるシーンのほうがいいし、いかにガンになる前の主人公はこういうのに気づいてなかったのか描いてほしい。
3. ガンになったら、結局友達が一番いい(彼女はよそよそしくなる、親は過度に心配になる、医者や心理療法士は事務的すぎる、でも友達だけはいつも通りに接してくれる)
--だったら余計にその心理療法士とのラブストーリーはいらんやろう!!そしていつも通りに接すてくれてる友達の葛藤も描かないと
4. 普通に、「ガンになったらこんなことが起きるよ」と描いたドキュメンタリー的な映画
--じゃあやっぱラブストーリーはいらん!そして主人公はもっと普通の人の反応をみせてくれ!クールすぎるやろう!

まとめ:
言っても7点はあげてるからね。
みんなにみてほしい映画ではある。
あまりこう、なんだろう、「見終わったら分析してやる!」みたいな見方ではなく、
「ストレスたまってるから、ちょっと泣こう」という軽い気持ちで見たほうがいいかな?

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